セロー250にPDバルブ装着とフォークの分解
前々から気になってたPDバルブを買ってみたので装着です
フロントフォークの分解整備もやってみたかったので消耗品のシールだとかもまとめて交換し重メンテも一緒に
PDバルブとはこんなのです
サイズは29mm
英語の説明書と日本後の説明書付き
ステッカー2枚付属
分解してみるとこんな感じ
1個所だけ穴が空いてる、他の凹みは調整用に追加できるようになっているのかな?
もうネットに記事も色々上がってるのでセローユーザーならどこかで見た事あるかと思われますが効果は
・急な凸凹(段差や道の大きな凸凹)
→フォークオイルの流速早い
→バルブが大きく開く
→ダンパー効果低め
→シュッと素早くフォークが縮む
・緩い凸凹(舗装路の微妙な高低差やカーブやブレーキの荷重など?)
→フォークオイルの流速遅い
→バルブがあまり開かない
→ダンパー効果高め
→フォークが粘る?
みたいな感じで路面に合わせて賢く減衰自動調整?のようなものらしい
カートリッジ式フォークと同じ原理でカートリッジエミュレーターと呼ばれたり?
でもカートリッジ式のバイクなんて乗った事ないからよくわかんない・・・
よくわからんがとにかくなんか良さそうな気がする
天気の良い日に作業開始
カバー類を外して
ブレーキキャリパーを取り外し適当に車体に縛り付け
車体を持ち上げる前にアクスルとフォークキャップを緩めておきます
フォークキャップはトップブリッジの締めてるとこを緩めておかないと回らないので注意
(フォークキャップは外してしまわないように、持ちあげずにキャップを取るとスプリングが飛び出してきます)
車体を持ち上げてタイヤを外し、フォークも外し
フォークは真っすぐグリグリとねじりつつ無理な力が加わらないように慎重に引き抜き
フォークオイル抜き(まだ綺麗だし再利用しても良かったかな・・・)
しばらくサカサマにして放置
ここまでは今までフォークオイル交換でやってた工程ですがこの先が初の領域なので
サービスマニュアルを見つつ進めます
細いマイナスドライバーで少しずつクイックイッっとこじってダストシールを取り外し
これは~どうなんだろう・・・汚い?のかな?切れたり欠けたりは無い様子
次にオイルシールの脱落を押さえているスプリングの取り外し
スプリングの切れ目があるのでそこの近くからまたマイナスドライバーでインナーチューブに当たらないように
慎重に取り外し
外れた
次にフォークの底のとこのボルトを外すのですが中から押さえるものが必要
まず25mmほどの塩ビパイプを使ってみたけど滑ってダメ
押さえを木の棒に交換し、さらに滑るのでアクスルシャフトを取っ手にして体重をかけて下に押さえつつ
どうにかボルト取り外し完了
あとはインナーチューブを引き抜くらしいのですが
サービスマニュアルにはフォーク下部を固定しユックリ引き抜くとあるけど・・・固定するものが無いので
まぁ・・・いいかな・・・と大雑把な心で
カツーン、カツーンっとインナーフォークを前後に軽く動かし内側からブッシュにメタルスライドをぶつけて
ちょっと強引に叩き抜き
分解してみるとこんなのが入ってました
ひとまずサービスマニュアルと付合わせて同じっぽい事を確認
中身のダンパーロッド
これの上部はなんだか複雑な内部構造で圧入されて組まれてる?分解はできなさそう
ダンパーロッドの上にPDバルブが載る感じになる予定
でも凸凹部分は一致していない、たぶんそのままでもいいのかな
さてさて、左側の分解が終わったので次は右側っと・・・ダストシールを取ったところ・・・
ぉぅ・・・錆・・・
なんかどこかの記事で見たような見事な錆具合・・・なんか欠片見えるし・・スプリングが錆びてました・・・
細かい錆の粉もでてて見るからにフォークに悪そう
そして錆がこびりついてなかなか取れない・・・爪楊枝とかでこすりつつどうにか掃除
錆にはビビったけどどうにか分解完了右側は錆安いとかあるのかな・・・
確かにハンドルロックして止めてる時は左よりは雨に濡れそうな位置にあるがそれが原因?
次にPDバルブの為のダンパーロッドに穴あけ加工
ダンパーロッドの先のこの穴
普通はこの4mmの穴2個で抵抗を発生させダンパーとしての役割をもたせている
今回PDバルブがダンパーの役割をするのでこの穴を拡大と穴を増やしキャンセル状態にします
説明書には29mmのバルブの場合8mmの穴を合計6個に増やすべしとある
個人でPDバルブを装着する場合はこの穴あけ加工がネックになりがちですが
この為に準備しましたのは・・・ステップドリルと垂直ドリルガイド
ステップドリルにはやりすぎないように印をマジックでいれて色でわかるようにしておき
できるだけ固定し・・・オイルを吹きかけ・・・ドキドキしつつ
ウリャーっと
割とすんなり拡大できました、8mmのとこで反対側にもドリルが届いてしまうのでちょっと手間取りましたがどうにか
比較すると8mmの穴って結構大きい・・・
PDバルブの流路の大きさからするとこれでも十分な気が・・・
う~ん・・・でも丁度良いサイズではダメかもしれないし・・・・
ってことで合計4つの穴までにすることに
説明書には元の穴から10mm上下の位置に90度の角度でとあるが下側に10mmはどうにも無理が・・
なので上に10mmの位置にポンチで穴を開けてステップドリルでグリグリーっとこんな感じに
(少しだけザグリを入れてみました)
結果的にはキレイに90度ではないですが細かいことは目をつぶって・・・
あとは十分にバリ取り、内側のバリが頑固でドリル作業よりこっちが時間がかかる
穴4つだけどキャンセルには十分な大きさかな~と
ここから折り返し
新品交換推奨の部分は交換しつつ組みます
純正部品 で準備したのは
品番[240-23114-00] ガスケツト
品番[5JX-23144-00] シ-ルタ″スト
品番[5JX-23145-00] オイルシ-ル
品番[4A1-23156-00] クリツフ゜オイルシ-ル
品番[5JX-23125-00] メタルスライト″ 1
品番[5JX-23171-00] ヒ゜ストンフロントフオ-ク
品番[1N1-23158-00] ガスケツト
品番[09448-15004] スフ゜リンク″
ダンパーロッドを抑える道具は分解時の教訓から改良し木の棒をちょっと削ってビニールテープを巻いた物を準備
(削れて木の粉が出るのを抑えつつ滑り止めとして)
まずインナーチューブブッシュを交換、すこーし広げてグリグリ
そんなに削れてるように見えない・・・まだ良かったかな・・・
ダンパーロッドに付いていた各パーツを戻し
インナーチューブのなかにそっと差し込み、そしてそのインナーチューブをアウターチューブに戻し
木の棒で押さえつつ底のボルト止め
ここの胴ワッシャーは新品交換推奨
次にアウターチューブブッシュを打ち込み(これも新品推奨)
専用工具があるらしいですが、古いオイルシールを使えばいいっと見ていたので真似してみる
半信半疑で新品アウターチューブブッシュを入れて、ワッシャーを入れて、新しいオイルシールを入れてその上から
古いオイルシールを重ねて~(オイルシール入れる時に定番のビニール被せ忘れた・・・)
木の棒を当てて軽くコンコンコンコンコンコン・・・・
そしていくら叩いてもダメと気付くまで15分・・・・
アウターチューブブッシュが入らない・・・
そのあと悩み調べて色々試行後、取りあえず方法を確立
アウターチューブブッシュの打ち込み方法は
打ち込み道具=内径40mmの塩ビパイプを準備し
以下のように重ね上から塩ビでバシバシ叩く
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ワッシャー
古いアウターチューブブッシュx2
新品アウターチューブブッシュ
フォーク
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打ち込み後にワッシャーを入れるのを忘れずに(自分は忘れてやり直しました・・)
そしてオイルシール(これも新品推奨)の打ち込みは
以下のように重ね上から塩ビでバシバシ叩く
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古いオイルシール
新品オイルシール
フォーク(ワッシャー、インナーチューブブッシュ圧入済み状態)
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古いオイルシールがアウターチューブの淵と同じくらいまで埋まったらほぼ完了
(スプリング用の溝がちゃんと見えるようになってないとダメ)
うまく打ち込めず3回くらいやり直してます・・・なかなか難しい
でももう慣れたから次は一発でいけそうな気がする
オイルシールが痛んでないか心配・・・
あとは押さえのスプリング(新品)を入れてダストシールを嵌めこんで完了
スプリングは錆防止にメンテルーブを塗ってから組み込みました
塩ビで代用してたカラーはPDバルブ分高さを調整
いよいよPDバルブの投入準備としてスプリングの堅さを荷重の掛かり始めから2回転分にします
最初はボルトの長さで管理しようと思ったのですが、測って見るとスプリングの長さが微妙に違う(0.2mmくらい)
ヤスリでうまく削れる気がしなかったので入念に指でボルトをクルクル回して緩めて締めてを繰り返し
初期荷重の掛かり始めを出し、印をマジックでつけて2回転、そしてナットで固定しました
オイルを入れる前に底のネジにネジロック材塗るの忘れてたのでそこだけやり直し
オイルを適当に入れてインナーチューブを上下させて空気抜き
オリフィスをでかくしたせいか勢い良く上下させるとこうなりますので注意・・・
しばらく時間をおいてエア抜きしたら油面調整
前回はスプリング変更とスペーサーを塩ビ化したので145mmで調整しましたが
曲がってる時になんだかフラフラするので今回はPDバルブ分の増える分も考慮にいれつつ140mmで調整し
エア量減で
PDバルブを投入、丁度の大きさなので上から落とすとスルスル~タプンっといった感じに沈んでいきます
あとはスプリングいれてスラストベアリングもいれてイニシャル調整の1mmワッシャーx2枚も戻して
フォークキャップの所のOリングも新品交換、シリコングリスを薄く塗ってます
最後にインナーチューブの表面にチェーンルブを塗って防錆
この前までメンテルーブ使ってたけど、あれは溶剤が揮発すると粘度が高いグリスのようになるみたいなので変更です
フォークブーツの戻し忘れ注意
あとはタイヤとかを組み戻し
締めつけトルクはアクルスは85Nm、ブレーキキャリパーは40Nm(オイルが付着していない状態)
でもオイルついた状態なので経験からアクルスは60Nm、ブレーキキャリパーは30Nmで締めてます
ともに仮締めしてスタンドから降ろしてからあとトルクレンチにて
フォークキャップも組み付けてから本締め(コレは手ルクレンチ)
組みあがってフロントブレーキを掛けて押してみる
・あんまり変化無いような?少し重くなったかな?
・なんかシューシュー擦れる音するけどこれ大丈夫かいな・・・
フォークオイルがまだブッシュに回って無いのかな?付け込んで圧入したほうが良かったのかな・・・
といった印象
試走してみたところの印象は
・なんか舗装路走り安い~カーブもビシッっと安定感
・舗装路でブレーキを掛けた際のシーソーみたいな動きが少なくなってる、
・軽い林道ではそれなりに動いてる感じ、依然と遜色ないようなちょっと硬くなったような~感じ
・100km/hくらいの走行も前より安定感増
っとなり
そしてこの前の林道ツーリングでちょいとペース早めの林道走行後
・大き目の段差とかはバシッとした衝撃ではなくドシーンとした衝撃に変化?
・ガレ場でもうちょっとフォーク動いたほうがいいかなぁ・・・もっと楽々になれそうな可能性を感じる
・オイル漏れしてないようなのでどうやらオイルシール交換も成功した様子
な感じ
舗装路の走り心地が良くなったのはなかなか良い感じです
PDバルブのスプリングイニシャルは0~7回転まで変更可能みたいにで英文説明書にあったので
また今度調整してみようかと思います。
あとはダストシールは時々めくってみて中のスプリングの様子をチェックしてみる事をお勧めします・・・錆びてるかも・・・
記事を書きながら思いついたけど・・・
フォークオイルをすごく柔らかいものに変えてオリフィス拡大無しでPDバルブ投入したらどうだっただろうか
PDバルブの締めこみ0.5回転とかそんな感じで
良い具合になりそうならドリル加工も不要にならないかなぁ・・・先に試すべきだった・・・
20150923サス調整現在値
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フロント
オイル:YAMAHA G-10 (ノーマルはG-15)
スプリング:DRCフロントフォークスプリング(純正より固め)
油面:140mm (規定値:125mm) (スプリングの体積増加とカラーに厚みがある為)
突き出し量:0mm
カラー長:108mm(塩ビVP管)(純正カラー:129mm)
その他:PDバルブ(ダンパー値:2回転分締め)
スラストベアリング+ワッシャー2枚(合計4mm)
イニシャル調整用ワッシャー2枚(合計2mm)
純正スプリングシートは抜き取り済み
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リア
シートに乗った時のサスの残りストローク量:20mm
(無荷重でのストローク量:約50mm)
その他:トリッカー用リンクプレート交換済み(純正よりちょっと短いので見かけ上スプリングが固く)
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